Snapdragon・スナドラの型番と処理能力を覚える方法
どれが良くてどれが良くないのがモデル名だけでわかりづらいQualcommのSoC・Snapdragon(スナドラ)シリーズ。スナドラの型番と処理能力を覚える方法をまとめました。
公開日: 2020.10.25
800番台
「フラッグシップ、最新版は最高速、数世代前ならベンチをチェック」
Snapdragonのフラッグシップシリーズが800番台のSoCです。10の位が世代になっているので、どれくらい古いモデルなのかが一発でわかるようになっています。
最新版はその時の最高峰SoCですが、数世代前になると後述の700シリーズの方がベンチマークスコアが優れていることがあるので、最新版でない場合はベンチマークスコアをチェックしましょう。
SoC | メーカー | CPU | Antutuスコア |
---|---|---|---|
Snapdragon 865 | Qualcomm | Kryo 585[Cortex-A77(4コア)+Cortex-A55(4コア)] | 573,000 |
Snapdragon 855 Plus | Qualcomm | Kryo 485 P×1 Kryo 485 P×3+ Kryo 485 Silver×4 | 500,000 |
Snapdragon 855 | Qualcomm | Kryo 485 P×1 Kryo 485 P×3+ Kryo 485 Silver×4 | 464,000 |
Snapdragon 845 | Qualcomm | Kryo 385 Gold×4+ Kryo 385 Silver×4 | 350,000 |
Snapdragon 835 | Qualcomm | Kryo 280×4+ Kryo 280×4 | 263,000 |
Snapdragon 821 | Qualcomm | Kryo×2+Kryo×2 | 186,000 |
Snapdragon 820 | Qualcomm | Kryo 475 Gold(A76)×2+Kryo 475 Silver(A55)×6 | 178,000 |
700番台
「必要以上、数世代前の800シリーズよりも速い」
2017年に初めて登場したのが700番台のSoC。フラッグシップの800シリーズよりもスペックは劣りますが、ミドルレンジの600シリーズよりも高性能で「ハイスペックを狙わないなら十分すぎる性能」となっているのが特徴です。
最近ではGoogleのフラッグシップスマホ・PixelシリーズがPixel 4a、Pixel 5で700シリーズを採用しています。
最新の800シリーズよりは劣っていますが、数世代前の800シリーズよりもベンチマークスコアが高いことが多いので、「800じゃないから遅い」ではなく「数世代前の800シリーズより速い」と覚えておくと良いでしょう。
SoC | メーカー | CPU | Antutuスコア |
---|---|---|---|
Snapdragon 765 G | Qualcomm | Kryo 475 Gold(A76)×2+Kryo 475 Silver(A55)×6 | 302,000 |
Snapdragon 765 | Qualcomm | Kryo475(A76)×2+Kryo 460(A55)×6 | 287,000 |
Snapdragon 730G | Qualcomm | Kryo 470(A76)×2+Kryo 460(A55)×6 | 258,000 |
Snapdragon 730 | Qualcomm | Kryo 470(A76)×2+Kryo 460(A55)×6 | 243,000 |
Snapdragon 710 | Qualcomm | Kryo 360 Gold×2+ Kryo 360 Silver×6 | 222,000 |
600番台
「必要十分、最低限欲しいグレードのSoC」
2014年の発表以来、5〜6万円クラスのミドルレンジスマホに重用されてきたのが600シリーズ。ミドルレンジSoCですが、重要級ゲームでもなければ、必要十分なスペックです。
この下はエントリーグレードの400シリーズですが、400シリーズとは比較にならないほどスペックが高いので「600シリーズ未満は選ばない」と覚えておくと良いでしょう。
SoC | メーカー | CPU | Antutuスコア |
---|---|---|---|
Snapdragon 670 | Qualcomm | Kryo 360 Gold×2+ Kryo 360 Silver×6 | 220,000 |
Snapdragon 675 | Qualcomm | Kryo 460(A76)×2+Kryo 460(A55)×6 | 200,000 |
Snapdragon 660 | Qualcomm | Kryo 260×4+Kryo 260×4 | 182,550 |
400番台
「メール、電話、Webだけなら大丈夫なグレード」
SnapdragonのSoCでエントリーグレードに当たるのが400番台。エントリーグレードなので、「最低限のスマホとしての動作が可能なレベル」と覚えておくと良いでしょう。シャープのAQUOSシリーズが意外と400シリーズを使っているので注意しましょう。
ベンチマークスコアを見てもわかるように、アプリなどを頻繁に使う場合は、選ぶべきではないシリーズです。
SoC | メーカー | CPU | Antutuスコア |
---|---|---|---|
Snapdragon 450 | Qualcomm | Cortex-A53×8 | 72,000 |
Snapdragon 410 | Qualcomm | Cortex-A53×4 | 36,000 |
Snapdragon 400 | Qualcomm | Krait 300x2+Cortex-A7×4 | 25,000 |
200番台
「使ってはいけないレベル」
Snapdragonの最下位グレードに位置するのが200シリーズ。なんとかスマホ用のOSが動くレベルのSoCなので、「このSoCだったら選ぶべきではない」と覚えておきましょう。
SoC | メーカー | CPU | Antutuスコア |
---|---|---|---|
Snapdragon 210 | Qualcomm | Cortex-A7×4 | 26,000 |
一桁番台
Surface Pro XなどのPC・タブレット向けに供給されているのが一桁台のSoC。Snapdragon 8cx、Snapdragon 8c、Snapdragon 7cがこれに当たります。
最近では、AppleはSoCをARMベースの自社SoC「Appleシリコン」に全面移行を宣言しており、WindowsやChromebook界隈でもSnapdragon搭載マシンが増えてきそうな情勢です。
Snapdragon・スナドラの型番と処理能力を覚える方法を見てきました。
まとめると、
- 800シリーズ「フラッグシップ、最新版は最高速、数世代前ならベンチをチェック」
- 700シリーズ「必要以上、数世代前の800シリーズよりも速い」
- 600シリーズ「必要十分、最低限欲しいグレードのSoC」
- 400シリーズ「メール、電話、Webだけなら大丈夫なグレード」
- 200シリーズ「使ってはいけないレベル」
という感じです。
最近のスマホは、ほとんどが600番以上ですが、たまに400シリーズ以下が紛れ込んでいるので、「最新モデル!」「まだまだ新しいモデル」という煽り文言で、間違って購入しないようにしましょう。