マルチディスプレイをするためのノートPC・アダプタの選び方
ノートPCでマルチディスプレイ環境を構築する際の、ノートPCや接続ディスプレイアダプタの選び方をまとめました。出力が1つしかないノートPCでトリプルディスプレイを実現させる裏技も。
公開日: 2020.5.20
目次
搭載ポートを確認しよう
ノートPCでマルチディスプレイ環境を構築するには、ディスプレイに出力するための出力ポートが必須です。
ディスプレイに出力するためのポートは、
- HDMI
- VGA
- Display Port
- USB Type-C(ディスプレイ出力機能付き)
があります。
基本的には、これらのポートの分は外部ディスプレイ出力ができます。例えば、HDMIとVGAポートが1つずつあるノートPCであれば、本体画面も含めて3枚(トリプルディスプレイ)まで拡張できると思って良いでしょう。
メーカーのスペックページをしっかりチェックしよう
ただし、一部モデルではポートによって排他利用の場合があります。
例えば、VAIO SX14の場合は、「HDMI」「VGA」「USB type C」の3つのディスプレイ用端子があり、端子的には「本体画面も含めた4画面出力」ができそうな気がしますが、メーカーサイトのスペックシートには「USB Type-C™とアナログ外部ディスプレイ出力端子を同時に外部モニター出力としてご使用いただくことはできません。」と記載があるため、トリプルデイスプレイが最大ということになります。
こうした情報はメーカーサイトのスペックページに記載があるので、購入する前に必ずチェックしましょう。
搭載CPUの最大ディスプレイ枚数を確認しよう
あまり知られていませんが、実はノートPCが出力できる最大ディスプレイ枚数は、実はCPU搭載のグラフィックエンジンによって決まります。
多くのノートPCはIntel製のCPUを搭載していますが、IntelのCPUスペックシートを確認すると「サポートされているディスプレイ数」という項目があり、そこに最大ディスプレイ枚数が規定されています。
例えば、先ほどのVAIO SX14が搭載している「インテル® Core™ i7-10710U プロセッサー」の場合、Intelのスペックシート上サポートされているディスプレイ数は「3つまで」となります。
インテル® Core™ i7-10710U プロセッサー |
搭載ポート以上にディスプレイを増やしたかったら?
純正ドックでポートを拡張しよう
例えば、MicrosoftのSurfaceシリーズは、モデルによってディスプレイ出力が一つしか搭載されていませんが、「Surface Dock」という純正のドックを使いことで、出力をMini DisplayPort 2つまで拡張できます。
Surfaceシリーズ以外にも、DELLやLenovoなど多くのメーカーが出力を追加するドックを販売しているのでそちらも検討してみましょう。ただし、純正アクセサリということもあって値段が少々高いのと、他のメーカーのPCに使い回しができないというデメリットがあるのも覚えておきましょう。
USBディスプレイアダプタを使えば本体の出力ポート数以上にディスプレイを増やせる
最近のノートPCは、薄型軽量化が進んでいるので、外部出力ポートが1つしかないようなモデルが増えています。そうしたモデルで外部出力を増やす最終兵器が「USBディスプレイアダプタ」です。
USBポートはどのパソコンにも搭載されているので、外部出力端子と組み合わせることで出力ポート数以上にディスプレイを増やすことができます。例えば、下記のLogitec LDE-WX015Uであれば、アダプタを6つ用意することで最大6台までディスプレイを拡張できます。
Logitec ディスプレィアダプタ USB Full HD対応 LDE-WX015U
ただし、USBディスプレイアダプタは画面の描画するためにマシンにかなりの負荷をかけるので、モバイルノートPCなどの場合は1つくらいが限界でしょう。
Thunderbolt 3対応ならeGPUもあり
最新モデルのノートPCであれば、USB type-CポートがThunderbolt 3という出力規格に対応していることがあります。例えば、最新モデルのMacBook Airは2つのUSB type-Cポートが搭載されいていますが、どちらもThunderbolt 3に対応しています。
Thunderbolt 3に対応していれば、外付けビデオアクセラレーター(eGPU)という特殊な機器が利用できます。
eGPUは、グラフィックボードをそのままいれて使う機器なので、GPUの出力ポート分だけディスプレイを拡張することができます。また、GPUでグラフィック性能を向上させることができるので、重いPC用のゲームや機械学習などの演算処理などにも利用することができ、将来ノートPCを買い換えてもThunderbolt 3に対応していれば使い回すことが可能です。
ただし、問題は価格で、eGPUユニットだけで5〜6万くらいする上でに、eGPUユニットだけで何もできないのでGPUボードも合わせて購入する必要があります。
マルチディスプレイをするためのノートPCの選び方をみてきました。
デスクで作業する際は、ノートPCの小さな画面よりも大きなディスプレイに出力した方が作業効率が上がるだけでなく、姿勢がよくなるため肩こりなどが解消されることもあります。
今使っている、これから購入する予定のノートPCに合わせて、マルチディスプレイを環境を構築してみてください。