機能性素材・GORE-TEXの素材の違いまとめ
防寒ウェアだけでなく、ひんやりシーツなどにも採用されている機能性素材・GORE-TEX。今回は、GORE-TEXの素材の違いをまとめて比較しました。
更新日: 2022.5.26公開日: 2022.1.23
目次
主なGORE-TEXの素材の種類
GORE-TEX
GORE WEARが開発した、高い機密性を維持しながら内部の湿度だけを上手に外に排出することが出来る機能素材。W.L. Gore & Associatesの商標登録されているブランド素材でもあります。
GORE WEARが開発した機能素材でも元祖にあたる素材で、一般用途ではアウトドアウェア、登山ウェア、サイクルウェアなどの気候の影響を受けやすいスポーツのウェアとして採用されているほか、最近では「濡れない」「ムレない」という特性を生かして、夏用のクールケットやクールシートにも使われています。
専門用途ではNASAが宇宙服の素材として採用されたり、南極探検隊が着用したなどの実績があります。
GORE-TEX PRO
GORE-TEXを登山やクライミングなどの極限状態に挑戦するスポーツユーザー向けに進化させたのがGORE-TEX PRO。防水性、透湿性、防風性が全てのレベルでプロユースになったモデルです。
GORE-TEX PACLITE
GORE-TEXを軽量方向に進化させたのがGORE-TEX PACLITE。軽量で荷物にならないため、ハイキングやサイクリングなどの荷物に制限があり、かつ急な天候に対応する必要があるスポーツ向けのプロダクトがラインアップされています。
GORE-TEX INFINIUM
雨や雪などの厳しい条件での使用を想定したGORE-TEXに対して、晴天などのドライな気象条件での快適性を高めたのがGORE-TEX INFINIUM。簡単に言えば、日常ユースに最適化したGORE-TEXと言えます。
ハイキングやサイクリングなどの「傘がさせないシーン」ではなく、傘をさす日常シーンを想定しているため、防水性能よりも防風性と透湿性を高めています。
新しい GORE-TEX INFINIUM™ プロダクトシリーズとは? | GORE-TEX
GORE INFINIUM WINDSTOPPER
日常ユースに最適な気軽さを目指したGORE-TEX INFINIUMに、耐水性も追加したのが「GORE-TEX INFINIUM™ WINDSTOPPER® ガーメント」シリーズ。
基本的な「濡れない」「ムレない」という性能はそのままに、風や雨による影響を最低限に抑えることが出来ます。GORE INFINIUMでは重要視されなかった防水性性能も高い素材になっています。
ウェアだけでなくグローブにも採用されます。
GORE-TEX INFINIUM™ WINDSTOPPER® ガーメント | GORE-TEX
GORE-TEX ACTIVE
現行のラインにはありませんが、高い透湿性と防水・防風性を持ちながら軽量さを実現したGORE-TEX ACTIVE。現行ラインでは、GORE-TEX PROとGORE-TEX PACLITEの中間くらいのイメージでしょうか。
GORE-TEXの特性を比較する
ここまで見てきたGORE-TEX素材を機能ごとに比較してみましょう。
素材 | 防水性 | 防風性 | 透湿性 | 軽量 | 頑丈さ |
---|---|---|---|---|---|
GORE-TEX | ○ | ○ | ○ | △ | ○ |
GORE-TEX PRO | ◎ | ◎ | ◎ | x | ◎ |
GORE-TEX PACLITE | ○ | ○ | ○ | ◎ | △ |
GORE INFINIUM | △ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
GORE INFINIUM WINDSTOPPER | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
GORE-TEX ACTIVE | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
「全部GORE-TEXだろう」と思いがちですが、素材ごとに目指している用途が違うため、特性が違うことがわかります。
登山などのアドベンチャー用途ではGORE-TEXやGORE-TEX PROが、サイクリングなどのスポーツから日常ユースなどの「日常ユース」ではGORE INFINIUMが、パッカブルなレイヤーとしての用途ではGORE-TEX PACLITEが使われます。
どの素材を使うかは、ウェアメーカーのコンセプトにもよりますが、概ねGORE-TEXが目指す特性を生かしたウェアになることが多くなります。
用途に合わせて選ぶのがベスト。でも、どれも全てGORE-TEX品質
GORE-TEX素材のウェアが、スポーツシーンで大きな評価を得ているのは、どのシリーズ、どのメーカーのアイテムでも同様の機能をもたらしてくれる点。
これまでご紹介してきた通り、現在では使用シーンに合わせた進化させた様々な姉妹グレードがあるため、使用用途に最適なアイテムを選ぶのがベストですが、基本的にどの素材でも全てGORE-TEX品質。
GORE-TEX素材を採用したウェアはどれも高価にはなりますが、それでも長く支持され続けるいうことは、それだけの信頼性と機能性を提供している証と言えます。
※GORE®、ゴア®、インフィニアム™、WINDSTOPPER®、ウインドストッパー®は、日本ゴア株式会社の商標です。