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ワイドな液晶ディスプレイの種類と選び方まとめ

ベーシックな16:9から、超ウルトラな32:9まであるワイド液晶。今回は、ワイドな液晶ディスプレイの種類と、作業が快適になるサイズ・解像・dpiの選び方をまとめました。

ワイド液晶ディスプレイの種類は3つの要素で決まる

一言にワイド液晶ディスプレイと言っても、いろんな種類があって何が違うかパッと見ただけではわかりづらいものです。

しかし、実はワイド液晶ディスプレイの種類は、

  1. アスペクト比
  2. 液晶サイズ
  3. 液晶解像度

の3つの要素で決まっていて、基本的にはそこを覚えておけば最適なワイド液晶ディスプレイを選ぶことができます。

どれくらいワイドかを決めるのは「アスペクト比」

液晶ディスプレイにおいて、どれくらいワイドかを決めるのは「アスペクト比」と呼ばれる、ディスプレイの縦と横の比率です。ここの縦・横の差が大きいほどワイド画面になり、少ないほど正方形に近づきます。

アスペクト比は、かつては数種類くらいしかありませんでしたが、現在ではメーカー各社が「独自色」を出すために様々なアスペクト比の液晶ディスプレイを発売しています。

ワイド液晶ディスプレイのアスペクト比

主力は「16:9」

現行のワイド液晶ディスプレイのアスペクト比は、「16:9」がメインです。これはテレビと同じ画角で、単体の液晶ディスプレイだけでなく、ノートPCでもメインのアスペクト比になります。

16:9は、横を広く使いつつ、縦の長さもしっかりと確保しているため、万能なアスペクト比です。また、テレビやYoutube動画などは、16:9で制作されていることが多く、動画をフル画面で表示した時に、余すことなくディスプレイスペースを使えるというメリットもあります。

かつての主力「16:10」

ワイド液晶ディスプレイが登場した際に主力だったのが「16:10」という、16:9よりも縦に少し長いアスペクト比。PCでは縦方向に情報を進めていくので、16:9ではやや縦方向に短く、スクロールの量が増えてしまいますが、16:10はこのデメリットを軽減してくれます。

現在では、ほとんど16:9アスペクト比に置き換わってしまっていますが、根強い支持者がいるアスペクト比でもあります。

モバイルで増えてきた「21:9」

ここ数年で、スマホの縦長化が進んだ結果増えてきたのが「21:9」というアスペクト比。この辺りから、「ウルトラワイド液晶」と呼ばれます。

劇場用映画に使われる「シネマスコープ」に近いアスペクト比で、スマホではXperiaシリーズで採用されています。

主力の16:9から横幅を広げたアスペクト比で、映画の視聴に最適なだけでなく、視野を広げることでゲーム画面に臨場感を持たせたり、ビジネス用途でも複数の書類を横に並べて作業がしやすいなどのメリットがあります。

ゲーミングモニターで広がる「32:9」

最近話題となっているのが、シネマスコープの21:9をさらにぐっと広げた「32:9」という超ウルトラワイドなアスペクト比。32:9ということは、16:9の液晶ディスプレイを横に2枚(16 x 2 = 32)並べたのと同じ解像度ということになります。

これまで16:9の液晶ディスプレイを横に2枚並べていたユーザーにとっては、一枚のディスプレイで、ディスプレイ間の隙間なく使えるというメリットがあり、人気が上がってきているアスペクト比です。

アスペクト比の次に大事なのが「解像度」と「dpi」

どれくらいワイドかを決めるのがアスペクト比なら、解像度は「表示画面の広さ」、ppiは「ディスプレイのキメの細かさ」を決める要素です。

作業画面の広さを決める「解像度」

ディスプレイの解像度は「1920x1080」などのピクセル数で表示されます。

ここは数字が大きいほどディスプレイ表示が広くなりますが、液晶サイズが違ったとしても、液晶が同じ解像度であれば表示できる内容は同じです。同じ解像度であれば、大きいディスプレイだと「大きくて見やすい」と感じ、小さいディスプレイだと「キメが細かい」と感じます。

ワイド液晶ディスプレイを選ぶ際は、「表示領域を増やしたい」という理由で選ぶことが多いですが、同じ解像度であれば画面サイズを大きくしたとして、「表示される内容が大きくなるだけ」で、表示領域は増えません。

美しさに影響する「dpi」

この点を表しているのでdpi(Dot per inch)で、1インチあたりのピクセル数を表します。当然ですが、1インチあたりのピクセル数が多いほど細かな表現ができます。概ね350dpiくらいになると、人間の目ではピクセルを認識できなくなり、「美しい」と感じるようになります。

dpiは目の疲れにも影響すると言われていて、ドットが明確になるようなdpiほど、目が疲れると言われます。

ワイド液晶はどうやって選ぶのが良い?

まずは16:9を基準に考えよう

現在PCを使っている方は、ほとんどの方が16:9液晶を使っていますので、まずは16:9の液晶ディスプレイからどこを広げたいのかを考えましょう。

縦方向に広げたいのであれば「16:10」が最適ですし、横方向への情報量を増やしたいのであれば「21:9」あたりが、デュアルディスプレイを快適にしたいのであれば「32:9」という選択肢になるでしょう。

画面サイズを決めよう

ワイド液晶ディスプレイを選ぶ際に一番の悩みどころが画面サイズです。

画面サイズは、ノートPCでは、11インチ、12インチ、13インチ、17インチあたりが主力で、デスクトップとなると、19インチ、21インチ、23インチ、27インチあたりが主力です。最近は、32インチ、40インチ、42インチ、50インチあたりの大画面を使うユーザーも増えています。

画面サイズ選びで注意したいのは、「xxインチ」のインチ表示は画面の対角線の長さで決めているので「ワイドになるほど、横幅が必要になる」という点です。

例えば、32:9の超ウルトラワイド液晶は、42インチ、44インチクラスが多いですが、同じ42インチでも16:9の液晶よりも32:9の超ウルトラワイド液晶の方が横幅が広くなります。

横幅が広くなるということは、それだけ広いスペースが必要になるということですから、デスクや設置空間の広さをしっかりチェックしないと「買ったけど、幅が広すぎて置けなかった」ということもあり得ます。

また、横幅が広がると「ディスプレイの端を見るのに首を振る」ことになるので、慣れるまでは首や肩の疲労が増えることがあります。ここはディスプレイとの距離を遠くすることである程度解決できますが、今度は解像度が高すぎると、ディスプレイから離れると文字が見づらくなるという欠点に遭遇します。

そうした点を考慮して、ワイドな液晶を選ぶ際に大事なのは「視点を左右に動かすだけで両端が無理なく見れるサイズ感」です。ここは作業する人の環境や視力、使い方などが影響するため、実際に店舗で見てみるのがベストです。

必要な解像度を考えよう

次に考えたいのが解像度。先ほど解説した通り、画面サイズが変わっても解像度が同じであれば、表示領域は増えません。

ここ最近に発売されたワイド液晶ディスプレイは、16:9のフルHDをベースに縦横に広げていることがほとんどなので、アスペクト比を変えるだけで解像度も増えることが多いですが、中には特殊な解像度の液晶ディスプレイもあるので注意しましょう。

今のディスプレイよりもワイドにしたいなら実機を必ずチェックしよう

ワイド液晶選びの難しい点は、23インチくらいまではあまりなかった「身体に合う、合わない」が確実に存在することです。

液晶のサイズ感はそのままで横を広げたいのであれば、「現在の液晶サイズ + 5インチ」くらいがベストですが、ワイドな液晶は32インチを超えるサイズになると首振りが発生しやすくなります。

先ほど指摘した通り、ワイド液晶ディスプレイは横幅が増えると首を振ることが増えて疲労につながったり、使い勝手が悪く感じてしまうことが多いので、横方向の情報量を増やしたいのであれば、家電量販店などで実機を必ずチェックしましょう。

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